2018年5月31日木曜日

市立病院麻酔科 5月の勉強会の記録

京都市立病院麻酔科
5月の勉強会の記録です



①麻酔器・気化器のトラブル

麻酔器にはデスフルランを投与するための気化器が装着してありますが
古い麻酔器ではその後にでてきた電子麻酔記録のモニターと干渉しておりました


たまに吸入麻酔薬が投与されないというトラブルが起こり、麻酔科は大慌て
(もちろん別の麻酔薬を投与するので手術には問題はありませんが)



・・・ということもありまして
当院では今年から麻酔器を新しい機種に一新し、一安心というところです

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②硬膜外カテーテルの迷入

全身麻酔は意識をとる/意識が無くなる麻酔ですが
手術後の痛み止めの効果がありません
ですので開腹手術の際は硬膜外麻酔という脊椎のカテーテルを入れますが


脊椎には、くも膜下腔/硬膜外腔の2つのスペースがあり
硬膜外カテーテルがくも膜下へ迷入した論文を勉強会で取り上げました


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③咽頭外傷の麻酔・挿管

4月から新しく来た専攻医さんに、
過去の経験で困った症例ということで発表していただきました



頭部外傷(咽頭部)の患者さんに、挿管して全身麻酔をするといった内容でした

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④抗血小板薬と血栓症


血栓症は抑制したいが、出血は困る
というレビュー論文の紹介がありました




出血があるときに速やかに止血機序が発動することはたいへん有り難いことです
但し、止血が過剰になりすぎると体のあちこちで血栓症がおこります




麻酔科といっても手術中に凝固因子を輸血したり、
血栓予防のヘパリンを投与したりするので
血栓症にも詳しくないといけません

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⑤アミノ酸輸液

全身麻酔による手術中は、麻酔による自己の温度調節の喪失に加えて
手術室のHEPAフィルターからの送風などによりどんどん体温を奪われます



温風加温装置なども使用しますが、
体内から暖める方法としてアミノ酸輸液が有効と言われており
勉強会の題材に取り上げていただきました



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