2017年2月22日水曜日

術中の脳波モニター


今回の勉強会のお題は
「脳波は信頼できるモニターではないかもしれない」
とちょっと挑戦的なタイトルです


今回紹介されたのは、BJA雑誌に掲載されていた
「ナルコトレンド」と麻酔深度の論文です


日本では脳波モニターとして「BISモニター」が普及していますが
海外ではいくつか種類があるようで
ナルコトレンドも同様に脳波を点数化して麻酔深度を表示します


手術の麻酔中、ナルコトレンドでモニターをしながら
指示動作および術中記憶について調査したところ
十分な麻酔深度であるにも関わらず
動作が可能であったり記憶が残っていたりという結果がえられました


「意識がないこと」と「記憶がない」ことは別もの??なんです


2017年2月17日金曜日

抗NMDA抗体脳炎

今回の勉強会は、抗NMDA抗体脳炎に関する論文抄読会です。


脳の神経細胞にはNMDA型グルタミン酸受容体という
記憶や学習に関わる受容体が発現しております。
手術中の記憶に関する作用として
この受容体に働く麻酔薬を使用することもあります。


ところが卵巣腫瘍の一部や原因不明の疾患で
この受容体に競合するような抗体を産生する疾患群があり


この論文では抗体の減少率と予後に関する調査etc
を紹介していただきました。


希な疾患の麻酔ではありますが
外科系のたくさんの疾患と横断的にお付き合いする
麻酔科ならではの勉強でした。

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今年もチョコを看護師さんと麻酔科女医チームからいただきました~


↑メリーさんのチョコ「ブラッドリー」


↑ローエンシュタインさん(ドイツ)


これは麻酔ウインターセミナーに参加した研修医さんからのお土産
「SnowMiku 2017」
北海道の定番をあえてはずしてくるところがちょっと嬉しいかも。


2017年2月13日月曜日

麻酔勉強会:手術前にはまず禁煙

昨年末に、麻酔科学会から
「手術前には、まず 禁煙」
というポスターが配布されました。


当院でも、術前外来に目立つように掲示しております。

今回の勉強会では、手術直前まで喫煙していた患者さんに
喘息発作が発症した症例という報告をしていただきました。


「全身麻酔=鎮静薬+人工呼吸」という構図で
毎日たくさんの患者さんに人工呼吸をおこなっておりますが
「喫煙による痰の増加」から肺炎や喉頭痙攣のリスクが上昇します。


両親が喫煙者の場合、子供にも影響がでるというデータもあります。


というわけで、手術前には煙草の本数を減らすだけではなく
完全な禁煙をお願いいたします。

2017年2月6日月曜日

麻酔器トラブルのお話

京都市立病院の手術室は10室ありますが
全室ドレーゲルの麻酔器(Fabius/Apollo)で揃えてあり、
心電図モニターも全室フィリップスで統一されております。


操作性を統一して、ヒューマンエラーを防ぐことが第一ですが、
今回の勉強会では模擬症例をもとに
機械トラブルにより換気ができない!
といったシミュレーションをおこないました。


呼吸ができない時によくありがちなのが
挿管チューブのカフ漏れなのですが
それも今回は問題がなかったという設定で・・・


いざとなればバッグバルブマスクで換気ということも
常に頭に入れておかねばなりません。


今回の原因としては、蛇管の亀裂が原因でした。
毎回新品のものを使っておりますが、
それでも何かの拍子にトラブルはおこるもの。
常に安全管理に気をつけなければなりません。

2017年2月1日水曜日

DOAC(NOAC)のまとめ

DOACシリーズはまだまだ続きますということで、
「抗血栓薬vs緊急手術 まとめ編」です


出血傾向のない抗血栓薬として開発されたDOACも、
緊急手術となると出血コントロールに難渋・・・
困ったもんだという論文


そして昨年秋に承認された、
拮抗薬「プリズバインド」のお話、


FXaおよびフィブリン血栓のカスケードの新しい知見や
現在開発中の抗血栓薬回避薬(?)といったお話で


ブログに詳しく書ききれないボリュームでした。

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1月の頂き物です♪


箱根のお土産「黒だんだん」
疲れたときに、土日でふらっと温泉へ
お土産有り難う御座いました~