2016年12月27日火曜日

本年最後の勉強会…

本年最後の勉強会のタイトルは
「軽症だったはずなのに…」です。


毎日さまざまな人が手術室に来られますが
心臓のリスク、糖尿のリスク、手術のリスクetc
麻酔科は日々、いろいろな合併症のリスクと戦っております。


そんなリスクのなにもない患者さんだったはずが
Aラインのトランスデューサーの位置異常により
どつぼに嵌った症例の紹介でした。


Aラインというのは、麻酔中に橈骨動脈に刺すモニタリングのための点滴です
動脈の血圧だけでなく、大動脈弁の閉まり具合や動脈の性状を感じ取ったり


呼吸による血圧変動から体内の水分のバランスを感じ取ったり
麻酔科医にとってはなくてはならないモニタリングの一つですが
落とし穴に嵌らないように、教科書の症例を用いて勉強会をしていただきました。


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恒例となりました、庭園のライトアップ写真で締めくくりです。
来年も良い年でありますように~

2016年12月20日火曜日

PMI(周術期心筋梗塞)

今回のお題は
「PMI (周術期の心筋梗塞)」についてです

全身麻酔や手術を受けるということは
体にとってストレスがかかる状態です。
普段から何もない患者さんでも、心筋梗塞を起こす可能性があります。


手術の痛みによるストレス・・・心拍数の増加や血圧の上昇、
麻酔薬の副作用・・・極端な除脈や血圧の低下
それ以外にも、凝固系のバランスの崩れも原因となってきます。


もともと狭窄がある患者さんの、酸素供給不足だけではなく
有意狭窄ではないはずのプラークが剥がれて末梢へとんでいくetc
様々な原因が考えられます。 


古典的なRevised Cardiac Risk Indexの紹介から
POISE trialの紹介などをおこないました。


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11月の学会その2


京都市立病院の麻酔科医には
救急専門医の資格をもった医師も働いております。


今回は東京でありました日本救急医学会のお土産をいただきました~

2016年12月6日火曜日

悪性高熱症ガイドライン2016

本日のお題は
「悪性高熱症 2016」です


全身麻酔の合併症の一つに「悪性高熱症(Malignant hyperthermia: MH)」という副作用があります
全身麻酔薬が患者さんの筋肉の代謝異常を誘発して
40℃以上の高熱とともに代謝性アシドーシス・不整脈などを引き起こし
ときには死に至ることもある合併症です。


今回は、専門医試験でもでていた(?)
呼気CO2濃度の異常な上昇の鑑別問題をもとに


悪性高熱症の最新のガイドライン(2016)の紹介をしていただきました。



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11月に遅めの夏休みをとっていた研修医さんから
バリ島のおみやげをいただきました。


麻酔科は担当医制ではあるものの主治医制ではないため、
研修医さんでも夏休みがとりやすい・・・んだとおもいます。


2016年12月1日木曜日

DOAC拮抗薬・・・その2

今回の勉強会は、「DOAC拮抗薬その2」でした


今年度から赴任されたH.Drが血小板・凝固系が専門ということもあり
DOACの紹介がシリーズ化してしております。


DOACの効果をバイパスするという
PPX_Δ12という新しい物質(薬?)に関する論文を紹介していただきました。


今回も基礎的な内容でして、新しい物質を発見した際に
実際にその物質による効果であることを証明するためには
これだけ「検証」しないといけないのか、と思わせる論文でした。

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実際の製品になるのはいつなのか・・・ですが

前回の勉強会に挙がっていたイダルシズマブ(商;プリズバインド)が11月に発売となり
京都市立病院でも緊急採用となりました。


DOACのうちプラザキサに限定されますが
服用中の患者さんが緊急手術となったときに
出血傾向を中和して手術ができるようになりました。




2016年11月9日水曜日

臨床麻酔学会 at 高知


11月は臨床麻酔学会第36回大会がありました

日本麻酔科学会とは違って日本各地の様々な場所で開催されます。
今回は、鰹と坂本竜馬でお馴染みの高知県!



当院からも、症例報告を一報・・・
内容は詳しくは書けませんが、
血中濃度のシミュレーション予測に関してです。


最近は、麻酔記録の電子化に伴い
薬剤の血中濃度(予測値)などがすぐに視覚化できます。


今回は、術後再挿管となった患者さんの
手術終了時の麻酔薬残存濃度などを計算して考察し、
学会発表いたしました。


発表の2週間前には予演会(予行演習)も行ってます。
抜管に関する事として、DAS学会から4年ほど前に出た
「抜管ガイドライン」も再度復習いたしました。

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そして学会と言えばお土産!


青柳さんの土佐日記をいただきました~
中身は美味しい和菓子ですが、
それよりも見た目のインパクトが!なかなか洒落ています。




2016年10月19日水曜日

挿管・気管切開シミュレーション


今回の勉強会は、ICU/救急と合同で
気道確保シミュレーションとなりました。


人工呼吸が必要な患者さんで、
どうしても挿管困難(※人工呼吸の管が入らない)の場合・・・
喉仏の下の、輪状甲状間膜に穴を開けて人工呼吸をおこないます。




さすがに緊急事態ですので、
いくら研修病院とはいえゆっくり指導しながらというわけにはいきません。
年に1回、気管モデルを使って講習会を行っています。



こちら↓は挿管練習を、ビデオに撮って再生するシミュレーション教育。


挿管人形を使い、自分の挿管している姿を振り返ることができます。
また人形にも細工が施してあり、
口が開きにくいetc挿管困難モデルも練習可能です。

主に研修医さんの参加ですが、
麻酔科では毎日おこなっている「挿管」
研修が終わる頃には全員コツをつかんで一人前になってもらいます!
櫂は三年櫓は三月、挿管は・・・はて何月でしょうか?


2016年10月7日金曜日

勉強会と麻酔科専門医試験と

今回の勉強会のテーマは
「DOACの拮抗薬」
です。


しばらく前の勉強会でXa阻害薬(DOACまたはNOAC)
を紹介していただきました。


ワファリンよりはマイルドな印象ですが、
やはり手術に際しては出血に難渋することもあります。



今回は、そんなDOACの拮抗薬に関する論文を紹介していただきました。



臨床使用されるのはまだまだ先になると思いますが
筋弛緩薬と同様、拮抗薬がこれからのブームになるかもしれません。



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本日の一枚

先日、麻酔科専門医試験がおこなわれました。
研修医→麻酔科専攻医を経て、6年の臨床業務の後に受ける試験です。
当院からも3名受験しております。


国家試験以来の久々の試験で緊張する中、
留守番(?)さんのためにわざわざお土産をいただきました。
ありがとうございました~



2016年10月3日月曜日

術後の譫妄

今回のお題は
「高齢者と術後せん妄」
です



手術における全身麻酔では
一時的ですが意識不明の状態と成ります。
麻酔を終了させると、通常30分以内には覚醒状態に戻りますが・・・


高齢者のかたなどでは残存麻酔薬などに影響され
しばらくせん妄状態が続くことがあります。
また、鑑別として器質的な疾患/脳卒中などとの比較も重要になってきます。



今回は2013年にでた術後せん妄(POD)についての
レビュー論文を紹介していただきました。



麻酔科は手術室を出たあとの経過になかなか参加できませんが
病棟ナースも含めた多角的介入法で
よりよい入院生活になっていただければと願っております。



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今日の一枚

先日、横浜で心臓血管麻酔学会がありました。
今年も数名が参加し、お土産をいただきました~


秋の学会シーズンはしばらく続きます。





2016年9月28日水曜日

麻酔科抄読会9/12

今回の勉強会は、
「産科出血におけるフィブリノゲン濃縮製剤投与」
に関する論文の抄読会でした。


帝王切開の手術の際にしばしば出血することがあり
ヘモグロビンは維持できていても
体内のフィブリノーゲンが枯渇することがあります。


出血時のフィブリノーゲン補充療法はまだまだ一般的ではないのですが
いざ!という時のために
フィブリノーゲン製剤の使用法の勉強と


論文で報告されているエビデンスの復習を行いました。



願わくは、使う機会が無いにこしたことはないのですが
手術室は何が起こるかわからない環境。
備えあれば憂いなし、ということで・・・


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今日の一枚

先日導入された経食道心エコーですが
早速心臓の悪い患者さんの評価に使う機会がありました。




JB-POT資格を取得しており
後輩指導にも熱心なY医師。


2016年9月16日金曜日

ICU専門医への道

今回の勉強会のテーマは
「ICU」 です


当院でも、集中治療科として独立したUNITがあり
日々集中治療を必要とする患者さんの治療にあたっております


麻酔科医の流れとしては、
麻酔科研修6年間で麻酔科専門医を取得後
ICUでの専従業務を経て集中治療専門医を取得いたします


今年は8月に試験があり、
大学病院でICUの勉強をしたY.Drが受験しましたので
そのエピソードを紹介していただきました


ICUでは、麻酔に関すること・・・人工呼吸や鎮静・・・
だけではなく、小児、脳卒中、循環器疾患
など様々な領域があり、幅広い知識が求められます



ICU専門医取得までの流れと、
今年の試験問題


そして、今月末に控える麻酔科専門医試験にも関わるような
問題の提示をしていただきました。



2016年9月8日木曜日

インジゴカルミンによる血圧上昇

本日の勉強会のテーマは
「インジゴカルミン胆道注入により血圧が上昇した患者」
の症例検討会です


手術中は麻酔深度と鎮痛度合いがうまく折り合うと、
血圧も脈拍も非常に落ち着くものですが・・・
以下の麻酔チャートはある瞬間に血圧の急激な上昇がみられます


術野でのインジゴカルミン胆道注入を行った直後からなのですが
これほどの血圧上昇は珍しいとおもいます


インジゴカルミン自体は、静脈内注入することもあり
普段からよく使い慣れている薬(造影剤)なのですが


基本的にはα作用があり、血圧上昇が報告されております。

にしても、今回の胆道注入による血圧の上昇は
・胆道圧の上昇により血管内に逆流した
・胆道圧の上昇により痛み刺激となった
という推測のみで結論はでませんでした。

今回は研修医さんのよい発表練習の回となりました。

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皆様からの夏休みのおみやげ第三弾


やはり海外といえばハワイから
チョコとパイナップル型クッキーです
定番なのか、年に1回は見ているような気がします



金沢へ里帰りしていた研修医さんから
清香室町のくるみ万頭
正統派のあんこが美味しかったです



那智勝浦のいかせんべいをいただきました