2017年12月29日金曜日

京都市立病院 麻酔科の12月

2017年もあっというまに年の暮れと成りました
今月は
・骨セメントについての症例検討

・異常ヘモグロビンによるSPO2低値を示した症例

・気管切開孔の管理について

・たこつぼ型心筋症

についての症例検討会をおこないました

今月は忙しくて、記録が残っておりません・・・




2017年11月30日木曜日

京都市立病院 麻酔科の11月

11月は臨床麻酔学会がありました


麻酔科としては日本麻酔科学会の次に重要な学会です
当院からも、若手の医師を中心に臨床にかかわることを発表しております

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11月の勉強会の報告

1.麻酔後のせん妄とデクスメデトミジン


手術後、麻酔後、の合併症として
近頃はせん妄が取り上げられることが多くなっております


それだけ麻酔の安全性が向上してきており、
クオリティが求められるようになってきたということですが
今回はデクスメデトミジンを投与すると改善するという研究報告でした


2.喘息患者の麻酔管理



たまに~やってくる喘息トラブル


今回は、喘息の既往歴がない患者において
全身麻酔&気道管理により喘息が発症したという
希な症例があったので検討会をおこないました


3.帝王切開中の心電図異常

帝王切開の手術ではアトニンという薬剤を使用します


子宮収縮のための薬剤ですが、副作用の全身変化に
麻酔科はつねに注意を向けねばなりません
といった報告でした

4.小児の硬膜外麻酔について

京都市立病院では基本的に小児の硬膜外麻酔は施行しておりません
他の施設では行っているところもあり、
小児でも痛みの強い手術には適応があるのでは?
という視点でリスクについて再検討いたしました

2017年10月31日火曜日

京都市立病院 麻酔科の10月

今月は特にイベントがなく、
勉強会の報告のみです

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1.挿管困難の症例に・・・


エアウェイスコープとガムエラスティックブジーを併用した1症例


全身麻酔といえば気道確保と
1対1対応なくらい全例に施行しているものですが


画像のような気道トラブルがあるとかなり困難が予想されます
こういった症例報告を勉強しつつ、実症例でも上手にこなしております


2.思いがけない術中トラブル(呼吸器外科)



京都市立病院では呼吸器外科の手術が多く
麻酔科スタッフも精通しております


それでも片肺換気は麻酔科として技術が要るもので
今回は、ダブルルーメンチューブと吸引管にまつわる
思いがけないトラブルの報告の勉強でした

上記以外にも、10月は
局所麻酔薬中毒についての勉強会や
11月に開催される臨床麻酔学会の予演会などをおこなっております







2017年9月30日土曜日

2017年9月

9月は麻酔科学会 関西地方会の季節です


今年は9/2に大阪国際会議場で開催されました


↑研修医さんのポスター発表


↑専攻医さんのポスター発表
若手の修練(学術的な?)場になっております

今年の京都市立病院の麻酔科からの発表は2題でした

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9月の勉強会


↑産科麻酔のレビューの続き
輸液負荷のタイミングについても議論が尽きない・・・


↑膿胸患者の麻酔についてのまとめ
呼吸器外科がしっかりしており
近隣の病院から紹介されてくるので→→→麻酔科も頑張ります


↑肥満患者の全身麻酔について
体重100kgを越える患者さんの麻酔はかなり神経を使います

以上、9月のご報告でした

2017年8月31日木曜日

2017年8月

今月は新しい物がいくつか・・・


↑富士フイルムのエコーのデモ物品
神経ブロックの症例が増えてきて、
手術室10室に対してエコー1台では
さすがにとりあいに・・・待ち時間も増えてしまい
増設に向けて3社ほど比較いたしました


↑クーデック分離肺換気チューブお試し
クーデックから、新しいダブルルーメンチューブが発売になり
サンプルをいただきました
チューブが柔らかく、組み立ても簡単ということで
なかなか好評のようです

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8月の勉強会


↑血小板検査について
一般的な検査では血小板の数しか測りません
数だけではなく、血小板”機能”の検査をどのように検査するか
というマニアックな話題でした


↑予演会・・・A4プリントを必死に見ています
来月の学会発表の予行の風景です


↑帝王切開手術における大量出血の症例検討です
危機的出血時のフローチャートや輸血に関する話題など
これは定期的に必要な勉強です・・・

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おまけ 夏休みのお土産







2017年7月31日月曜日

2017年7月


7月はペインクリニック学会の季節です
今年は長良川であったようです


ペインクリニックは麻酔科医のサブスペシャリティの1つとして
専門医試験などにも出題されており
専攻医の先生も出席してもらっております


科としては麻酔科とは独立しているので
なかなか関わる機会が無いのですが、
珍しい症例などは一緒に情報共有しております

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7月の勉強会


↑小児でのデスフルランの気道抵抗に関する話題


↑集中治療室から、乳酸値とセプシスについて

ほか、症例報告を何件かおこなっております



2017年6月30日金曜日

6月の勉強会

遅くなりましたが6月の勉強会の記録です

1.臨床麻酔科学会誌から、
「ビーチチェア体位でのトラブル報告」と、「デスフルラン&レミフェンタニルによる覚醒の早さ」という2報をまとめていただきました


麻酔に関連する日本語の学術誌のうち
J-STAGEというHP上で”臨床麻酔学会誌”は無償公開されております
若いDrの勉強にとざっと目を通して興味ある報告をまとめていただきました。


ビーチチェアの体位では、頭部が心臓よりも高いために
虚血になる可能性がある・・・
という希な希な報告です。
めったにおこらないことですが、いろんな施設の経験をもとに
安定した麻酔管理を心がけます。

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2.局所麻酔薬中毒


全身麻酔の手術においても、
硬膜外麻酔や神経ブロック、または手術野で
リドカインをはじめとする局所麻酔薬を使います。


Naチャネルをブロックすることで効果を発揮する局所麻酔薬は
心臓にも悪影響を及ぼすこともあり、
神経毒性・心毒性に注意しながら使用しております。

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3.救急救命士による挿管の検討


当院の手術室では、京都市の救急救命士の挿管実習が行われています。
病院実習を受ける前に各自かなりトレーニングを積んできており
実習修了後は救急車でそれぞれ活躍されているようです。


今回は、京都市の救急車での挿管の状況と
フローチャートなどを纏めて提示していただきました。

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4.手術中の異常低血圧

全身麻酔の手術中に異常な低血圧を呈した症例の報告です。


手術中の低血圧というと、出血や麻酔によるアナフィラキシーなどが
麻酔科の頭の中にぱっと思い浮かぶのですが、


今回は、手術当日も内服継続されていた
降圧薬(高血圧の治療薬)によるものと推測されました。
薬剤の効果はやはり個人差があるようで、
たまに麻酔中の血圧管理に難渋するかたがおります。


2017年6月1日木曜日

京都市立病院 5月のまとめ


新任の先生がたも病院業務に慣れてきて
5月からは手術枠(麻酔科枠)を拡張しております


局所麻酔の部屋も含めて、すべての手術室が使用中という日も
しばしばあります
(今まで受け入れてきた緊急手術をどうするかという
問題がでてきておりますが・・・)


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5月の勉強会の記録です

1.頚部膿瘍患者さんの麻酔


4月に耳鼻科の頚部膿瘍の緊急手術がありました
頸に膿が溜まる疾患ですが、
麻酔科的には人工呼吸ができるか否か非常にシビアな状態です



画像は参考資料ではありますが
実際の患者さんも頚部が腫脹し、
声帯も偏位して挿管が困難となっております




挿管もさることながら、はたして抜管できるのか?
抜管後に再挿管となったらどうする?
といった観点でのお話でした

2.続・POISEトライアル

周術期にβブロッカーを投与すると心筋梗塞が減少するか?
というPOISEトライアルの紹介を前回おこないましたが


今回は周術期にアスピリンを投与するとどうなるか?
というPOISE2トライアルの紹介です



結果としては、周術期の出血量が増えることにより
心臓イベントの発生には変化がなかったということになりました


POISE2トライアル自体は数年前の論文でしたが
昨年麻酔科領域で、サブグループ解析の論文が2つ発表されましたので
そちらも併せての紹介となりました

3.オピオイド使用中の患者の麻酔

がん性疼痛に対してオピオイド(麻薬)を
継続的に使用することが一般的になっておりますが



そういった患者さんも夜中に虫垂炎の手術を受けたりいたします
そんなとき、
オピオイドの内服ができなくなるけど・・・
手術中の麻薬の量はどうしたらよいのかな・・・



ということで、
今回の症例検討となりました



2017年5月18日木曜日

学会報告

5月は学会報告が2題ありました

1題目は、昨年までに当院で複数経験した
「抗NMDA受容体抗体脳炎 」の患者さんの纏めです


世界的にもまだ治療法の確立していない疾患でして
原因除去のための手術が必須となりますが
その麻酔法に関しても脳の受容体が関係するだけあって
使用する薬剤など議論が白熱するところです。


Y.Drによる英語でのプレゼンテーションで


5月にIARSというアメリカの国際学会で発表していただきました。

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2題目「帯状疱疹患者さんの1例」

こちらは、今年から当院に来られたK.Drが
昨年大学病院で経験した症例です。


帯状疱疹ウイルスによる神経痛は
ペインクリニック外来でしばしばみかける疾患ですが
運動麻痺をきたす症例は数少ないので報告となりました。


関西ペインクリニック学会で無事
(いろいろつっこまれながらも)発表が終わりました。