2014年12月19日金曜日

12月18日、雪

病院北側の庭園整備もいよいよ大詰めです。
来年1月13日から、五感の庭・観楓の庭としてオープンします。

散策するにはまだ寒い季節ではありますが、
カフェテリアや病棟の窓から見える緑が癒しを与えてくれるはず。

カフェテリアから見える一ヶ月前の風景と、


昨日の雪景色。

あとしばらくで、ショベルカーの無い風景を楽しめます。

2014年12月9日火曜日

はや、12月

夏休みや3連休も終わり、今週はお菓子がありません・・・



ということで、先日の勉強会の紹介


① DASの抜管ガイドラインの紹介(Anaesthesia2012; 67: 318-40)
挿管ガイドラインは世界の色々な学会から発表されてますが、
抜管についてのガイドラインは珍しいです。

抜管時は純酸素で・誤嚥リスクがある場合は頭低位で・
抜管前の肺胞リクルートメントにエビデンスはない・
気管内の吸引や胃内容の吸引についてなど、
いろいろ臨床に疑問を投げかけてくれる内容でした。

② ASAリフレッシャーコースから、高齢者の麻酔について
薬剤の代謝や、認知障害、心臓etc考えることはいっぱいです。
高齢者に特効薬は無く、病態生理を理解した上で麻酔管理をおこないます。


③ 仙骨ブロック
心機能、腎機能、呼吸機能低下のある患者さんに対して、
鎮痛法として仙骨ブロックを選択した麻酔の症例呈示をしていただきました。
ペインクリニック外来ではよく行うブロックですが、
手術麻酔では最近あまり行われなくなっており、
専攻医さんは熱心に教わっておりました。

 ↓実際のエコー画面



さいごに、麻酔関連書籍の紹介です


麻酔の大御所ともいえる、
Miller's Anesthesia 8版が10月末に発売となりました。
さっそく一部購入し、医局内でオンラインで読める手続きをしております。

7版では巻末についていたPerioperative Management関連が、
Chapter 3,4に繰り上がっております。
麻酔科は手術の麻酔だけではなく、周術期のマネジメントが仕事です!

2014年11月28日金曜日

アセリオ登場


先日から、手術室に鎮痛薬「アセリオ」が配備されました
”本邦初、アセトアミノフェン静注液。”です
用量用法は以下の通りです
体重50kg未満の成人 15mg/kg
体重50kg以上の成人 300~1000mg
小児は別途


麻薬による鎮痛で副作用(呼吸抑制、吐き気)が危惧される場合
今まではロピオン(NSAIDsの一種)しかなかったところに
選択肢が増えることはいいことです


NSAIDs特有の合併症
・消化性潰瘍
・腎障害
・アスピリン喘息
は”一応”禁忌として挙げられています
内服薬、座剤の添付文書に載っているからということですが、
実際臨床の現場では・・・・どうなんでしょうか。







2014年11月25日火曜日

猫も杓子もおたまじゃくしも

先日の勉強会① F先生による、体位と障害について
長時間寝ていておこる神経障害は「寝違え」ですが、
麻酔で長時間寝ていることに由来する神経障害は、「○○違え?」お名前あるんでしょうか


勉強会その② 専攻医の先生による、硬膜外麻酔後頭痛
硬膜穿刺が確実でない場合にもおこり、カテーテルの抜去時に起こる可能性もあります
もちろん、合併症をおこさないように細心の注意を払いますが、
硬膜外麻酔には一定の確率で起こるデメリットを上回るだけのメリットがあると考えられます




今週のお土産たち
・東京ラスク
・熱海の蒸しきんつば「伊豆の山づと」
・ハウステンボスの「ワンピースチーズフィナンシェ」
・宮島の、「杓子せんべい」


杓子(しゃくし)→ご飯をよそうもの:杓文字/汁をよそうもの:お玉杓子
江戸時代に、宮島に来たお坊様が、弁才天の琵琶にヒントを得て作り始めたみたいです
それまでは、何を使っていたのでしょうか。



2014年11月20日木曜日

心電図のアラーム

KCH手術室では、本館北館ともに
全室フィリップスの心電図モニターに統一してますが


デフォルトのアラーム初期値がいまいちで・・・
初期設定の変更方法を教えてもらいまして、全室変更しておきました


モニタ設定→動作モード→設定(※パスワード必要)


アラーム設定を、希望の値に変更します
FiO2上限値を100%に、Temp下限を20℃に(室温表示でも鳴らないように)して、

モニタ設定→プロファイル→成人OPの詳細→保存


麻酔中にアラームがなったのかどうか、アラームに気づかなかったのか、
というのはトラブルがあったときの争点になると思います。

日本麻酔科学会の指針では、
”人工呼吸器のアラームを作動状態にする”とはありますが、
心電図・パルスオキシメーターに関しては”監視する/用いる”という表現にとどまり
アラームの是非に関しては記載が無いのですね・・・


2014年11月13日木曜日

続、麻酔科医は子供に麻酔科をすすめないのか?

前回紹介したパンフレットから、興味ある数字を抜粋してみました。


日本
麻酔科専門医 7000人
全身麻酔件数 232万件/年

アメリカ
麻酔科専門医 43000人
麻酔薬投与件数 2100万件/年

アメリカの人口は日本の2.5倍ですが、
麻酔科医数、麻酔件数は桁違いです。(本当に桁が違う)

イギリス
麻酔科専門医 12000人
麻酔薬投与件数 600万件/年

人口が日本の約半分のイギリスでも、倍近くです。


日本がこれから英米のように手術件数が増加していくのか、
英米が日本のように手術を縮小していくのか。
麻酔の件数だけでなく、手術の内訳も見てみたいものです。
どうなっていくんでしょう・・・

2014年11月11日火曜日

麻酔科医は子供に麻酔科をすすめないのか?

「麻酔科医以外の医師は、なぜ、子供に麻酔科をすすめるのか?」

というパンフレットが日本麻酔科学会から送付されてきました。

学生、研修医向けの”パンフレット”ですが、
新書かと見間違えんばかりの出来映えです。
読み物として受け入れられるかどうか。

せめて、よく使う麻酔薬の一覧表とか、
麻酔で気をつけるべき合併症一覧表とかが載っていたら
研修医さんにも”目を通しておいてね”って言えるのですが・・・


タイトルだけ見ると麻酔科医は麻酔科をすすめないのか?と思ってしまいますが、
麻酔科医も、麻酔科医以外も、まずは自分の科をすすめるそうです。
ということで、
「医師はなぜ、子供に麻酔科をすすめるのか?」
が正解なようです。



でも、人の興味、探求心は人それぞれですから・・・・・
・・・・・・麻酔科に向き不向きもあります。

2014年10月24日金曜日

KCH麻酔科の日常

先月~今月にかけての勉強会です

木曜勉強会:PACU(The Postanesthesia Care Unit)
日本ではあまり一般的ではありませんが、術後観察室で注意すべきことetc
スープレンでしっかり覚醒し、病棟に帰るまで15分くらい手術フロアにいるので大丈夫?

木曜勉強会:Respiratory Monitoring Capnographs
呼吸のモニターとCO2波形について
ちょっとした形状の違いでも、いろいろなことが読み取れるCO2波形
ささいな変化を読み取れるプロになりましょう。


木曜勉強会:頭頸部手術の麻酔
術野と、挿管チューブが重なる麻酔科的には苦労するエリアです。
もちろん、疾患によっては挿管困難な可能性も



以下、応援に来てくれているDrや見学者などからの頂き物です
西宮市、フォックスさんのバームクーヘン

大阪、なかたに亭さんのクッキー

ふわふわサクサク
東京、東京カンパネラ

皆様、ありがとうございました!

2014年10月16日木曜日

勉強会


木曜勉強会 今週はJSA(日本麻酔科学会)のairway management guidlineです
当直の機会があると、一人で挿管できなかったらどうしよう・・・と不安になるもので
7月にパブリッシュされたガイドラインを、勉強会を機に訳していただきました

発表者の冒頭の一言「一応あたまに入れておくべきことが書いてある」
が、当を得ていて
最終的には現場の判断、経験の数がものをいうと思います。

個人的に印象に残った点
・SPO2ではなくETCO2で換気の程度を判断
・換気困難症例でPCV換気+両手マスク保持を推奨
・筋弛緩薬を入れる前にマスク換気を確認することのエビデンスは無い

内容が濃いため、来週に続きます・・・


2014年10月14日火曜日

9~10月のKCH麻酔科

夏休みは7月~10月に分散してとりましょう
ということで、部長、専攻医、看護師さんからのお土産が溜まってきました。
和歌山県、アドベンチャーワールド土産から
パンダの繁殖で有名ですが、このお菓子はまさかのカバ押し!?
パンダのほかにも、たくさん動物がいるようです

こちらはヨーロッパ、チェコのお土産です
世界遺産にもなっているプラハは素晴らしい景観だそうです
ヨーロッパのお土産といえば、やっぱりチョコ

 北海道のおみやげ、ほがじゃ
北海道のじゃがいもに、てんさい糖をあわせたフリッターおせんです
工場は小学校を譲り受けて使われているそうです

鹿児島からは薩摩芋タルト
沖縄の紅芋も美味しいですが、九州の薩摩芋も美味です

福岡のお土産は、黒田官兵衛の兜の形をした、どら焼きです
餅入りのどら焼きなので「餅どら」と略すようです
でも、銅鑼からは遠くなっているいような・・・(形が



2014年10月1日水曜日

KCH麻酔科と専門医と専攻医と


2015年度の専攻医から、麻酔科専門医制度が変わります
具体的には、責任基幹施設が主となって作成した4年間の専門医研修プログラムを修了したのち
専門医試験を受験するといったかたちになります。


当院も、麻酔科責任基幹施設としてプログラムを作成しております。
関連研修施設として北海道大学病院、東京医科歯科大学附属病院、京都府立医科大学附属病院と提携して、4年間で幅広い研修を行うことが可能です。
詳しくは日本麻酔科学会HP→検索:プログラム→京都市立病院麻酔科専門医研修プログラム
までお越しください。

また、当科では以下の概要で専攻医を募集しております。
http://www.kch-org.jp/kcho/recruit/doctor
興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

2014年9月29日月曜日

麻酔科学会HPに、
麻酔科と麻酔科医の認知向上のためのHPを作りましたと案内が載っております。
当院でも、手術を受ける前に麻酔科外来にて麻酔についての説明をしておりますが、
麻酔について、もっと知りたい方は是非見てみてください。

http://www.anesth.or.jp/
こちらは麻酔科学会のHPです。
主に、学術情報や専門医・専門病院の情報などが載っています。

2014年9月23日火曜日

KCH麻酔科の日常

まずは看護師さんからの差入れ、沖縄お土産、紅芋パイです。
沖縄で主に栽培されている紅芋は、ユリ目ヤマノイモ科の所属で、ヤマイモの親戚だそうです。
一方サツマイモのほうは、ナス目ヒルガオ科、全然違うものみたいです。


次の写真は最近の神経ブロックです。
乳腺手術の際に、オピオイドを減らして再発率が云々と言われて久しいですが、
最近はPVB(傍脊椎神経ブロック)に代わってPECSブロックという神経ブロックを行っております。
さいごに、勉強会。
M先生に、喉頭蓋嚢胞の症例についてまとめていただきました。
喉頭蓋嚢胞に対してラリンゴマイクロ手術を行う場合は、細いチューブを用意し耳鼻科もスタンバイしておりますが、喉頭蓋に関係のない外科の手術などで偶然発見された場合は・・・
今回は問題なく経過しましたが、換気困難に陥ったり、嵌頓したような症例報告も過去にはありました。

2014年9月16日火曜日

KCH麻酔科の日常


先日は日本麻酔科学会の地方会がありあました。
麻酔件数(局部麻酔を除く)約2500件/年のうち
特殊な麻酔・希な経過をたどったケースについては
学会で報告させていただいております。


今回は一番若いK先生に、気胸の症例を報告発表してもらいました。
はじめての学会発表ということで、かなり緊張している様子でしたが、
しっかりと声を出して、無事に有意義な質疑応答の時間を得ることができました。



2014年9月9日火曜日

先週のKCH麻酔科


まずは研修医の先生より頂き物です
夏休みはシンガポールへ旅行したそうで、
お話もそこそこにチョコレートを美味しくいただきました。


M先生より、屋久島のお土産
ウミガメを形取った、肉厚の美味しいクッキーでした♪


先週の勉強会「腸間膜牽引症候群」
呼吸器外科の手術中に、血圧低下・顔面紅潮となった症例の報告でした。
フェニレフリン、フルルビプロフェンの投与で回復しましたが、
それに関連してレミフェンタニル投与時の頻度や、
COX阻害薬投与時の効果などを発表していただきました。


2014年8月26日火曜日

先週のkch麻酔科


五条御前交差点からの病院風景。
五条通りの工事も、着々と進んでおります。


先週のお土産その1
S先生より、和歌山の「かげろう」
空気の揺らめき「陽炎」、はかなき命の「カゲロウ」
それに似た、口の中でフワッと溶けました


その2 浜松からのうなぎパイとうなぎボ~ン
ウナギの血液には、ichthyotoxinという毒素があるそうで、
だから刺身ではなく焼いて食べるそうです・・・ 


先週の勉強会1 悪性高熱症
 全身麻酔中におこる、致死性のある合併症の一つです。
ダントロレン、もちろん常備しております。

先週の勉強会2 手術中におこったアナフィラキシー
頻度は0.02%程度ですが、起こるときは起こります。(起こりました。)
毎日使う筋弛緩薬は化粧品と交差抗原性があるので、注意が必要です。

2014年8月16日土曜日

先週のkch麻酔科

kch麻酔科では、月曜日・木曜日に研修医・専攻医むけの勉強会をおこなっております。
医学の進歩により新たな麻酔薬、麻酔機器、麻酔法が進化してますので
研修医・専攻医のみなさんと一緒に指導医たちも研鑽の日々です。

月曜日は最近手術室で経験した症例検討会で、
合併症をもつ患者の麻酔方法などです。

木曜日は最新の英文教科書、論文などをベースにした、
抄読会形式です。



先週の勉強会
「手術中におこった喘息発作」
数年間発作が無い状態でも、麻酔・人工呼吸の刺激により再発することもあり、
薬の種類(ステロイド、ネオフィリン、β刺激剤)などの、
投与経路、タイミング、量について再確認をいたしました。

「Coagulation」
抗血栓薬(抗凝固・抗血小板薬)のまとめでした。
ここ数年で使用されるようになってきた薬剤
(フォンダパリヌクス、エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバンなど)
を含めて、周術期の休止や橋渡しの取り扱いや、
HIT(heparin induced thrombocytopenia)など関連疾患の紹介でした。

2014年8月12日火曜日

先週のkch麻酔科

京都市立病院麻酔科ブログ 久々の更新で申し訳ありません。
4月から新メンバーも迎え、現在12名体制で麻酔、ペインクリニック、ICU診療に勤しんでおります。

8月は診療に支障のでないように交代で夏休みのシーズン。
ということで、先週いただいたお土産・差入れの紹介からの再スタートです。



名古屋に寄り道してきたK先生より。
織田信長がうまれた那古屋城の跡地に、1609年に建てられた名古屋城。どちらにちなんだ名前でしょうか。
現在みられる天守は1959年に再建されたそうです。



次は海水浴にでかけていたK先生より。
福井県小浜市の、思わず笑顔になるユニークな酒饅頭。
お味もニッコリ^^



愛知県の実家に帰っていたF先生より詰め合わせ。
メインは餡麩三喜羅という麩饅頭。
麩饅頭を、漢方でも使われる山帰来の葉で包んであります。



今後も定期的に更新していきますので、よろしくお願いいたします。