8月も麻酔科には大きなイベントはありません
夏休みを交代で取得しつつ、
お盆期間も手術室は平常運営しておりました
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8月の勉強会の記録
①ロボット手術の麻酔
京都市立病院では、手術支援ロボット「ダヴィンチ」が導入されて5年の月日が経ちました
当初は前立腺の手術に使うだけだったロボットも、
今では胃がん・腎がん・肺がんなど毎日のように働いてもらってます
麻酔科としては特殊な体位や高い胸腔内圧に負けないように
人工呼吸管理や循環管理に気を遣う日々ではあるのですが・・・
ダヴィンチ以外も含めて"ロボット手術"が今回のテーマでした
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②ASA-PSについて
ASA(アメリカ麻酔学会)が定義するPS(身体状態)をもとに
麻酔科は患者さんの重症度を6段階で把握しています
リスクによって合併症のリスクが変わってきます
おおざっぱに言えば
"PS1=健康"なかたから
"PS2=喫煙者、高血圧"のあるかた
"PS3=糖尿病や心臓疾患"など持病をもつかた
といった感じになります
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③ダブルルーメンチューブの挿管困難
京都市立病院では呼吸器外科の症例が豊富にありまして
DLT(ダブルルーメンチューブ)の挿管も毎日のようにあります
左肺と右肺を分離して人工呼吸するのに必須の道具ですが
こんかいは"チューブがどうしても入らない!"といった症例の検討会でした
片肺換気をするにはブロッカーという道具もあるのですが
肺がしぼみにくいためにあまり使う機会がありません
でも今回に限っては2番手の備えがあってよかったよかった
という症例でした
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④筋弛緩・再クラーレ
手術中は"エスラックス"という筋弛緩薬を使用して
手術終了時に拮抗薬を投与します
拮抗薬の量が少ないと、
一旦血中の筋弛緩薬が拮抗されたのちに
組織に溶けていた薬剤により再度血中濃度が上昇するといった状況があり注意喚起となりました
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⑤地方会の予行演習
以前から勉強会で取り上げていた
"KONIS症候群"を来月の麻酔科学会関西支部集会で発表することになりました
麻酔科志望の研修医さんがプレゼンターとしてスライド作りを頑張っております